ソフィールと言う言葉には、「土壌処理を意味するソイルフィルター(soil Filter)」という意味と、
「環境に優しいという意味のソフトフィーリング(soft feeling)」という意味が込められています。
従来の浄化槽は曝気槽に空気を送り込み攪拌・混合するために大きな曝気ブロアーを使用しますが、
ソフィールは小さなファンで土壌に空気を送る構造なので消費電力が僅かで、臭いが発生しにくい構造です。
また、従来の浄化槽はコンパクトな反面、利用者の変動が大きな施設では微生物による処理機能が悪化しやす
く、維持管理に難がありますが、ソフィールは負荷変動が大きい施設でも安定して高度な処理が可能です。
土壌浸潤槽の上部は自由に利用でき、芝や花壇などの植栽スペースにするのが最適です。
しかし、サツキのような酸性土壌を好む植物は適していません。
ソフィールの場合、蒸発散を見込んでいないため、上部土壌を人が踏み固めたり、荷重をかけても問題は
ありません。但し、車などの重量物が土壌浸潤槽上に載ると通水装置の破壊・変形や標準土壌の転圧とな
りますので注意してください。
駐車場としての利用をお考えの場合は、車重を考慮した補強構造とすれば可能です。
自然と人との共生をコンセプトに開発されたソフィールの場合、できれば周辺の自然環境にマッチした植栽を
することをおすすめします。
土壌浸潤槽に使用する土壌は品質管理された土壌を現地に客土し充填します。下部土壌層には水質浄化に適した
「黒ボク土」を主体とした管理土壌が充填されており、上部土壌には山砂や真砂土などの砂質土を埋戻します。
土壌に生育している微生物の密度が高いということがあげられます。汚水の流入がなければ土壌でも微生物の
菌数は減少しますが、それでも土壌乾燥重量1gあたり106個オーダーの菌数を保持できています。汚水の流入と
ともに微生物は急激に増殖し、速やかに浄化能力は回復します。
また通常の浄化槽の場合、接触ろ材の微生物膜が剥離・脱落しやすいが、土壌は土壌微粒子の孔隙に微生物が生
息しているので、微生物膜が剥離・脱落するといった現象はありません。
土壌が目詰まる原因は、土壌が嫌気的になり、汚泥が堆積するためです。それを解消するためにソフィールの
場合、土壌層が嫌気的にならないように送気ファンで送気を行い、土壌を常に好気的な状態に保ち、微生物の
活性を高めています。汚水を土壌層全体に均一に分散させる構造になっていることも、目詰まりの防止に効果
があります。標準土壌より浸透速度が速い浸潤層をもうけ、汚水を間欠的に一気に送水することで土壌層全体
に均一に分散させる構造となっています。また、標準土壌は、透水係数を最適な条件に保つため、指定された
土壌を施工現場に供給する体制になっています。
1次処理槽、分水ますなどのマンホールの蓋を開けない限りはにおいません。土壌浸潤槽は汚水の蒸発散による
臭いは全くなく、排気口の部分においても問題になるような臭いは発しません
微生物の処理なので、季節的な浄化能力の変化はありますが、ソフィールの場合、浄化能力が低下した時でも
満足のいく処理水質が得られるようにシステム設計されています。
従来の土壌処理では、システムとして何年もつのかということが明らかではありませんでした。そこで当社は
システムとして耐久年数を保証するために、日本建築センターの評定試験において、土壌層が目詰まるまでの
年数を推定するための試験を行い、耐久年数を算出しました。土壌処理においては土壌層の汚泥抜きを行わな
いため、土壌層への汚泥堆積量を把握する必要があります。実証試験において汚泥堆積量を測定し、その増加
量から目詰まりするまでの年数を推定する方法で、約20年は土壌が目詰まらないという結果を得ました。
ソフィールの場合、通常の浄化槽のような強制的なばっ気ではなく、汚水が標準土壌に浸透していくときの
負圧を利用して自然に土壌層へ空気が送られる構造になっています。土壌層での微生物の処理に必要な空気
量を計算すると小さなファンで十分対応できます。
当社の推定では、土壌浸潤槽への送水量に対して0〜10%程度です。また土壌処理装置で実験した文献では、
夏季の好条件で4L/u程度となっています。
雨水は土壌層に浸透しますが、計算上では降水量30mm/hの雨(大雨洪水警報の目安は30mm/h以上)が終日降り
続かない限り、汚水は処理できます。雨水の浸透は浄化能力や耐久性には影響しません。大雨時は土壌層が水で
飽和状態となり、透水速度以上の雨は浸透しないため、土壌層表面を流れます。尚、土壌浸潤槽は表面水が流れ
るように雨水勾配をつけます。
ソフィールの場合、リンは99%以上の除去率で、窒素は50〜70%の除去率で処理されます。
標準土壌には、リン酸吸着係数の高い黒ボク土等を利用していますので、汚水中のリンは土壌に吸着除去されます。
窒素については、土壌層で硝化・脱窒により除去できます。窒素リン除去型の高度処理浄化槽に匹敵する性能を有し
ていますが、長時間の安定性について評価できていませんので、現在その研究を実施しています。
水や電気が無い現場でも設置が可能ですが、電気は太陽光発電などにより供給するシステムを提案します。
処理水循環利用により水がない現場でも水洗トイレの設置が可能ですが、手洗い用の水は雨水利用システムを採用
するか、上水を運搬するなどの工夫が必要です。
公衆トイレなどで循環利用を行う場合は、トイレ洗浄水は循環利用を行うのに対し、手洗い水は上水を利用する為
手洗い水に相当する部分が余剰水となります。余剰水は放流もしくは散水などで処理します。
100人槽程度の規模で、土木工事、システムの据え付け、電気工事などを含めて2〜3週間程度です。
資材発注を含めて2ヶ月程度の工期をみてください。
一度設置した土壌浸潤槽は、ノーメンテナンスです。毎日設計負荷量が流入した場合の土壌の入れ替えは、
推定20年後となります。キャンプ場や山小屋のように冬季に利用者が少ない施設の利用では、半永久に入れ
替えの必要がありません。
設置面積として水量負荷(0.1m3/u ・日)で算出する場合、汚水量1.0m3/日では10u(幅2m×長さ7m)が必要
となります。
土壌浸潤槽の寸法は横幅2m、深さ80p、長さは最短7m〜最長22mです。22mを越える場合は、土壌浸潤槽が
2系列、3系列と増えていきます。長さ最長22mとしているのは、汚水を土壌層へ均等に行き渡らせるためです。
エコソイルという微生物資材を1uあたり2s程度入れています。そのため浄化槽を使用開始するとともに
高い浄化能力を発揮します。
遮水シートには、厚さ0.5oの丈夫な塩化ビニル製のシートを使用しており、施工時に穴が開くことはありません。
また土壌中に敷設されているので、紫外線の影響を受けず、劣化の心配がありません。
法定で定められた保守点検は3ヶ月に1回以上行うこととなっており、主に1次処理槽の汚泥の堆積、スカムの厚さ
など点検し、汚泥の引き抜きの時期を判断したり放流水の水質分析などを行います。汚泥の引き抜きは1次処理槽の
汚泥やスカムを1年に一回程度必要に応じて引き抜き、また、土壌浸潤槽の通水装置も必要に応じて清掃します。
浄化槽の維持管理業者や清掃業者で対応できます。複雑な機器は使用していませんのでメンテナンスが容易です。
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